入れ歯
Denture
Denture
一般的には入れ歯(義歯)と呼ばれるものは、1本以上の歯が抜けた場合に、生理的な機能の回復と、残された歯を含む残存組織を継続的に守る為、更に審美的にも回復する為に製作される、ご自身で着脱する必要がある口腔内装着人工物の総称になります。
製作される材料により様々な入れ歯があります。
又、歯を全て失った時に製作する入れ歯を総入れ歯(総義歯)と呼びます。
歯を何らかの理由で失ったり又は抜いた場合には、通常傷口は徐々に回復し、半年程で歯肉粘膜面は平らになり、直下の骨も造成されます。
理想的な入れ歯の製作時期はこの時期になります。
総入れ歯以外の入れ歯は、1本以上の歯が残存していますから、現存する歯による負担と歯が抜けた部分の歯肉粘膜による負担の混合で、以前からの嚙み合わせを維持していく事になります。
以前は歯という硬い組織だけで全て受け止めていた力を、歯肉粘膜の軟らかい組織にも頼る事になる為、初めて入れ歯を装着される場合は口腔内の感覚や、全身の感覚にも変化を感じる場合があります。
1:診査
抜けている歯肉粘膜面の状態や、歯の下の骨の状態を視診・触診により確認します。
レントゲン撮影・CT撮影などにより、骨の状態や形態を精査します。
この時に、「なぜ歯を失う事になった」理由を解明する事が一番大切になります。
重度の虫歯?重度の歯周病?事故などの外傷性の力?継続的な力からの負担過重による?など、歯を失った原因に対して適切な処置を怠ると、欠損歯を増やしてしまう事になり兼ねない為です。
2:治療計画
残った歯を考慮した上で、最大に噛めて、口腔内で維持安定し、見た目的にも良好である入れ歯のデザインを検討します。(維持装置や入れ歯の外形)
生体に対する馴染みやすさや、硬性を検討して製作する入れ歯の材質を検討します。
お顔の形や表情を観察し、調和のとれた入れ歯作成の為に咬筋や表情筋群の動きを確認します。
各個人のお口のサイズに合致した印象用トレーを事前に製作しておく事により、指で押しても変形しない歯と変形してしまう弾性のある歯肉粘膜面を、同時に精密に再現する事が出来ます。
入れ歯の治療工程は、最短で次のようになります。
入れ歯装着後は、咬み合わせの維持と残った歯の維持を行う為に、定期的なメインテナンスを行っております。
入れ歯の種類は豊富です。見た目の自然さや、保険適用の有無などで様々な種類を選ぶ事ができます。
レジン床義歯
特徴は、保険適用材料であるピンク色のレジンという樹脂で本体を製作し、維持装置は金属を使用しています。
費用を抑えられる事が最大のメリットになります。
デメリットは、保険適用外の入れ歯に比べると、材質的強度に劣る為に突然壊れてしまう事があります。
破折防止のために入れ歯を厚く作成すると違和感が増してしまいます。又経時的な変化として変色や摩耗は避けられません。
プラチナ床義歯
770,000円
主要部位をプラチナで作製する為に、噛み心地、強度、生体馴染みやすさに優れており、金属アレルギーの心配もありません。
重量感があり、安定性が良く、特に下の顎の入れ歯に適しています。
材質的に強度がある為、破折の心配をせずに多様な入れ歯のデザインが可能です。
上の顎の入れ歯でも、外形を小さくしたり、本体を薄くする事で装着感の良い、安定した入れ歯を作製する事が可能です。
場合により、歯に掛ける維持装置の金属が見えてしまう症例も有りますが、ナイロン義歯とのコンビネーションで製作すると審美的な問題も解消する事が出来ます。
20金床義歯
715,000円
主要部位を20金で製作する為に、噛み心地、強度、馴染みやすさに優れており、金属アレルギーの心配もありません。プラチナ床に比べると材質的に適正な弾性がある為に、利点を生かした歯に優しい維持装置を設計する事が出来ます。
重量感があり、安定性が良く、特に下の顎の入れ歯に適しています。
多様な外形デザインや維持装置の設計が可能なので、上の顎の入れ歯にも対応する事が出来ます。
場合により、歯に掛ける維持装置の金属が見えてしまう症例も有りますが、ナイロン義歯とのコンビネーションで製作すると審美的な問題も解消する事が出来ます。
チタン床義歯
495,000円
主要部位をチタンで製作する為に、噛み心地、強度、馴染みやすさに優れており、金属アレルギーの心配もありません。チタン部分の厚みを0.1mm~0.3mmで製作出来る為に、薄い軽量の入れ歯を製作する事が出来ます。
安定性に優れており、装着感も良く、特に上の顎の入れ歯に適しています。
場合により、歯に掛ける維持装置の金属が見えてしまう症例も有りますが、ナイロン義歯とのコンビネーションで製作すると審美的な問題も解消する事が出来ます。
コバルト床義歯
253,000円
主要部位をコバルトという金属で制作する為に、噛み心地、強度、なじみやすさに優れています。安定性が良く、上下の顎の入れ歯に適しています。
チタン床に比べると重量があり、コバルト部分の厚みも0.5mm~0.8mmで少し厚みがあります。但し、保険適用の義歯に比べると厚みは3mm以上薄く製作が出来ます。
場合により、歯に掛ける維持装置の金属が見えてしまう症例も有りますが、ナイロン義歯とのコンビネーションで製作すると審美的な問題も解消する事が出来ます。
バルブプラスト義歯
(ナイロン義歯)
総義歯:231,000円
6歯~13歯:209,000円
1歯~5歯:176,000円
金属を使用しない入れ歯の為に、審美性に優れており、入れ歯を装着している感覚があまりありません。
ナイロン素材の為に、破折は無く、体温で馴染む為に装着感も良好です。
特に下の顎の入れ歯に適しており、安定感に優れています。
前歯などの見える部位の入れ歯や、1歯欠損の小さい入れ歯も製作可能で、本来はブリッジやインプラントの適用症例でも、審美的な対応が出来る入れ歯です。
他の金属の入れ歯とのコンビネーションが可能で、更に安定した装着感良好な入れ歯になります。
ナイロン素材の特性上、経時的な変色は避けられませんが、専用洗浄液の使用で状態を維持する事が出来ます。
18Kクラスプ(金の金具)義歯
33,000円
金の特性を生かし、弾力が有り、馴染みやすく、装着感が保険適用の義歯より良好。
レジン床義歯に18Kの金具とレジン床内部に補強線を入れる事で、強度は増すが、破折の心配は残る。
マグネット維持装置
33,000円
生体の残根に磁性体を装着し、義歯側に磁石を装着して、義歯の安定を高める。
コーヌステレスコープメカニズム
金属で制作されたコーヌス冠(内冠と外冠)
1歯:220,000円
歯に装着された内側の金属冠と、同時に製作された精密に適合する外側の金属冠を、入れ歯に取り込んで維持装置として義歯を製作する術式。